与論島便りvol.58
- 投稿日:2019年07月
海辺
梅雨の真っ只中、連日の雨にうんざりしきって、先月号を記していた頃が妬ましくさえ思えた。
部屋に干してある洗濯物は一向に乾かず、扇風機の顔はわたしからそっぽを向きTシャツが少し揺れている。
暗灰色のネガティブな気持ちに陥っていると、なんとも数日ぶりに素晴らしい天気に恵まれた。
弾む心を抑える気もないわたしは、すぐさま家を飛び出した。
外に出ると、地表の奥から込み上げる猛烈な湿気(雨☂ → 晴☀)にすぐさま体中が包まれた。
長年住み慣れた狭い島ではとりわけ行きたい場所もないが、愛車のカブにまたがって切る風は涼しく感じる。
とりあえず海辺の県道をおもむくままに進む事とした。
なんだか賑やかな声が聞こえる。
今日は島内にある3小学校の遠泳大会、各小学校は別々のビーチから沖合まで船で渡り、砂浜のゴールを目指し泳ぐ。
A〜C級まであり、A級は2kmも距離がある(与論小学校)陸でも長いというのに泳ぐともなると・・・
今のわたしには到底無理であろう。
この日の為に島の子供たちは約2ヵ月間プールを何十周も泳ぎ、心身共に鍛え上げるそうだ。
なぜ今日が晴れたのか理由が分かった気がした。
Vol.59に続く